発光ダイオードは、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことで、LED(エルイーディー:Light Emitting Diode)とも呼ばれ、発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)効果を利用しています。
また、寿命も白熱電球に比べてかなり長く、素子そのものはほとんど永久に使えます。
(LEDが使用不能になるほとんどの場合は電極部分の金属の酸化や劣化で通電不能になったり、過熱や衝撃で内部の金線が断線した場合です)
発光色は用いる材料によって異なり、赤外線領域から可視光域、紫外線領域で発光するものまで製造することができます。
以下の素材を使用することで、さまざまな色のLEDを作り出すことができます。
- アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)→赤外線・赤
- ガリウムヒ素リン(GaAsP)→赤・橙・黄
- インジウム窒化ガリウム(InGaN)/窒化ガリウム(GaN)/
アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)→(橙・黄・)緑・青・紫・紫外 - リン化ガリウム(GaP)→赤・黄・緑
- セレン化亜鉛(ZnSe)→緑・青
- アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)→橙・黄橙・黄・緑
- ダイヤモンド(C)→紫外線
LEDは、半導体を用いたpn接合と呼ばれる構造で作られています。
発光はこの中で電子の持つエネルギーを直接、光エネルギーに変換することで行われます。
電極から半導体に注入された電子と正孔は異なったエネルギー帯(伝導帯と価電子帯)を流れてPN接合部付近で禁制帯を越えて再結合して発光します。
他の一般的なダイオードと同様、極性を持っており、カソード(陰極)に対し、アノード(陽極)に正電圧を加えて使用します。
電圧が低い間は電圧を上げていってもほとんど電流が増えず、発光しません。ある電圧を越えると、電流量に応じて光を発するようになります。
発光時の消費電流は表示灯用途では数mA~50mA程度ですが、照明用は消費電力が数W単位の大電力の発光ダイオードまであります。
蛍光灯や白熱灯など他の多くの光源と異なり、不要な紫外線や赤外線を含まない光が簡単に得らます。このため用途は広範囲に渡り、紫外線に敏感な文化財や芸術作品や、熱照射を嫌う物の照明等に用いられています。
構造が簡単なため大量生産が可能です。
電球と違いフィラメントを使わないので軽量で衝撃や故障に強く、長寿命です。